便潜血陽性後の精密検査「大腸カメラ」ってどんな検査?〜便潜血検査で陽性になったら」シリーズ3
こんにちは。鹿岳胃腸科・内科です。
前回の記事では、便潜血陽性を放置するリスクについてお伝えしました。
今回は、いよいよ精密検査を受けることを決めた方、または検討中の方に向けて、 「大腸カメラ検査って実際どんな検査なの?」 という疑問にお答えします。
「怖い」「痛そう」「恥ずかしい」—— そんな不安をお持ちの方も多いと思います。
この記事を読めば、検査の流れや所要時間、費用まで具体的にイメージできるようになります。 知ることで、不安は確実に減ります。
大腸カメラ検査でわかること
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を直接観察する検査です。
この検査でわかること
- 大腸がん(早期がん・進行がん)
- 大腸ポリープ(がんの前段階になりうる病変)
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)
- 憩室(腸壁の膨らみ)
- 痔(内痔核など)
便潜血検査では「出血があるかどうか」しか分かりませんが、 大腸カメラでは出血の原因を直接目で確認できます。
さらに、ポリープが見つかった場合はその場で切除することも可能です。 つまり、検査と治療を同時に行えるのが大腸カメラの大きなメリットです。
検査の流れ
大腸カメラ検査は、予約から検査後までいくつかのステップがあります。 事前に流れを知っておくと、当日も落ち着いて受けられます。
1. 予約・事前診察
まずはお電話または来院にてご予約ください。
事前診察では、以下を確認します:
- 現在の症状・既往歴・排便の状況
- 服用中のお薬(特に血液をサラサラにする薬)
- アレルギーの有無
検査日が決まったら、下剤と検査前日の食事についての説明書をお渡しします。
2. 検査前日
食事制限があります。
- 前日の昼食・夕食は専用食となります。
- 夜9時以降は絶食(水・お茶は可)
- 就寝前に下剤を服用
- 指示があれば、就寝前に下剤を服用
前日から腸をきれいにする準備が始まります。
3. 検査当日(来院前)
当日の朝から腸管洗浄剤(下剤)を飲みます。
- 約1.8リットルの下剤を、2時間ほどかけて少しずつ飲みます
- 何度もトイレに行き、便が透明〜薄い黄色になればOK
- ご自宅で飲んでいただき、腸がきれいになってから来院
※飲み方のコツや注意点は、事前にお渡しする説明書でご案内します。
4. 来院〜検査
来院後の流れは以下の通りです:
- 受付・問診確認
- 検査着に着替え(下半身は専用の検査着)
- 検査室へ移動
- 検査開始(横向きに寝た状態で行います)
- 検査終了(結果説明)
検査自体の時間は10〜15分程度です。 ポリープ切除を行う場合は、もう少し時間がかかることがあります。
5. 検査後
検査はモニターを見ていただきながら行います。病変があればその場でモニターを見ながらご説明し、処置致します。
- 異常なし → 基本的には毎年の便潜血検査で良いです。
- ポリープ生検・切除あり → 病理検査の結果は約3週間後
検査後は普通に帰宅できます。食事もすぐ可能です。 生検を行った場合は1日間、切除を行った場合は、7日間の運動制限・飲酒制限があります。
所要時間と痛みについて
所要時間
| 項目 | 時間の目安 |
|---|---|
| 来院〜検査開始まで | 約15〜30分 |
| 検査自体 | 約10〜15分 |
| 検査後〜帰宅 | 約15〜30分 |
| トータル | 約1時間〜1時間半 |
※ポリープ切除がある場合は、検査時間が延びることがあります。
痛みについて
「大腸カメラは痛い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
正直に申し上げると、まったく痛みがないわけではありません。 腸を内視鏡が通過する際、何ヶ所か数秒間の圧迫感や痛みを感じることがあります。
しかし、当院では1万件以上の大腸カメラ検査の経験をもとに、 患者様の様子を見ながら、できる限り痛みを抑えた丁寧な検査を心がけています。
ほとんどの方が、声を出すほどの痛みではなく、自制できる範囲です。
痛みを軽減するための当院の工夫:
- 硬度可変式内視鏡の使用(通常は一番痛くない一番柔らかい状態で行います)
- 炭酸ガス送気(空気より吸収が早く、検査後のお腹の張りを軽減)
- 熟練した挿入技術(無理に押し込まず、腸のひだを丁寧にたたみながら進める)
鎮静剤について
「眠った状態で検査を受けたい」というご希望をいただくことがあります。
当院では、原則として鎮静剤(麻酔)を使用せずに検査を行っています。
鎮静剤を使用しない理由
大腸は複雑に曲がりくねっており、過去の手術や体質によって腸の癒着がある方もいらっしゃいます。
鎮静剤で眠っている状態だと、患者様が痛みを感じても伝えることができません。 しかし、痛みは「ここは危険」というサインでもあります。
無理に進めると、腸に穴が開く(穿孔)リスクがあります。
「痛い時に痛いと言っていただける状態」の方が、安全に検査ができるのです。
実際の痛みはどの程度?
- 何ヶ所か数秒間、圧迫感や痛みを感じることがあります
- 患者様の様子を見ながら、なるべく痛まないように丁寧に進めます
- ほとんどの方が、声を出すほどではなく自制できる範囲です
「どうしても不安が強い」という方は、事前にご相談ください。 患者様の状態に応じて、最善の方法を一緒に考えます。
検査費用の目安(保険適用の場合)
大腸カメラ検査は、健康保険が適用されます。 以下は、保険診療での費用目安です。
| 検査内容 | 1割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|
| 大腸内視鏡検査のみ | 約1,700円 | 約5,000円 |
| 検査+組織採取(病理検査) | 約3,000〜5,500円 | 約5,000〜16,000円 |
| 検査+ポリープ切除 | 約6,500〜8,000円 | 約20,000〜24,000円 |
※臓器数や処置内容により変動します ※診察代・採血代は別途かかります ※投薬や処置の内容によって金額が前後します
便潜血陽性後の精密検査として受ける場合は、保険適用となります。 費用面でのご不安がある方も、お気軽にご相談ください。
当院の大腸カメラ検査の特徴
1. 1万件以上の検査実績
当院では、胃カメラ検査4万件以上、大腸カメラ検査1万件以上の実績があります。 経験豊富な医師が、丁寧かつ安全に検査を行います。
2. 最新の内視鏡システム「ELUXEO 7000」
当院では、富士フイルム社の最新内視鏡システムELUXEO 7000を導入しています。
特殊光観察(LCI・BLI)により、 通常の光では見えにくい早期の病変や微細な色調変化も発見しやすくなっています。
「見つける力」が、早期発見・早期治療につながります。
3. 日帰りポリープ切除
検査中にポリープが見つかった場合、 小さなポリープであれば、その場で切除することができます。
- 入院不要(日帰り)
- 検査と治療が1回で完了
- 後日あらためて手術を受ける必要なし
※ポリープの大きさや状態によっては、後日改めて処置が必要な場合もあります。
4. 炭酸ガス送気でお腹の張りを軽減
検査中は腸を膨らませて観察しますが、 当院では空気ではなく炭酸ガスを使用しています。
炭酸ガスは空気より約200倍早く体内に吸収されるため、 検査後のお腹の張りや不快感が大幅に軽減されます。
よくあるご質問
Q. 検査は恥ずかしくないですか?
A. 検査着は下半身に穴の開いた専用のものを着用します。 できる限りプライバシーに配慮した環境で検査を行いますので、ご安心ください。
Q. 生理中でも検査できますか?
A. 基本的には可能ですが、ご心配な場合は予約時にご相談ください。
Q. 検査後、すぐに仕事に戻れますか?
A. 処置しなかった場合は、検査後すぐに通常の生活が可能です。 ポリープ切除を行った場合は、軽作業のみにしていただくようお願いしています。
Q. 下剤が飲めるか不安です。
A. 通常2000mlのものが多いですが、当院では1800mlのタイプの下剤で少し少ないです。 飲み方のコツもお伝えしますので、ご安心ください。
まとめ:大腸カメラは「怖い検査」ではありません
大腸カメラ検査は、
- 検査時間は10〜15分程度
- 痛みはほとんどの方が自制できる範囲
- ポリープがあればその場で切除可能
- 費用は保険適用で約5,000円〜
という検査です。
便潜血陽性と言われた方にとって、 大腸カメラは「受けなければならない検査」ではなく、「受けておいて良かった」と思える検査です。
早期発見・早期治療のために、 このチャンスを活かしてください。
検査のご予約・ご相談
大腸カメラ検査のご予約・ご相談は、お電話にて承っております。
「まずは話を聞いてみたい」という方も、お気軽にご連絡ください。
鹿岳胃腸科・内科
〒676-0078 兵庫県高砂市伊保1−4−27
TEL:079-447-3551
伊保駅から徒歩5分・駐車場10台完備
※この記事は一般的な健康情報を提供するものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。
「便潜血検査で陽性になったら」シリーズ
- 第1回:便潜血検査で陽性に!まず知っておきたい5つのこと
- 第2回:便潜血陽性を放置するとどうなる?精密検査を受けるべき理由
- 第3回:便潜血陽性後の精密検査「大腸カメラ」ってどんな検査?(この記事)
- 第4回:大腸カメラでポリープが見つかったら?切除から結果説明まで(近日公開)
• • 第5回:大腸カメラ検査後、次の検査はいつ?フォローアップの考え方(近日公開)
