消化器科

大腸カメラでポリープが見つかったら?切除から結果説明まで〜便潜血検査で陽性になったら」シリーズ4

yoshiki

こんにちは。鹿岳胃腸科・内科です。

前回の記事では、大腸カメラ検査の流れや費用についてご説明しました。

今回は、検査を受けた結果**「ポリープが見つかりました」**と言われた方に向けて、

  • ポリープとは何か
  • 切除はどのように行われるのか
  • 切除後の生活で気をつけること
  • 病理検査の結果の見方

について、詳しく解説します。

「ポリープが見つかった=がん」ではありません。 まずは落ち着いて、この記事を読んでみてください。

そもそも「ポリープ」とは?

ポリープとは、腸の粘膜から盛り上がった「できもの」の総称です。

大腸カメラ検査を受けた方の**約30~40%**でポリープが見つかると言われています。 つまり、ポリープが見つかること自体は珍しいことではありません。

ポリープの種類
種類特徴がん化リスク
腺腫性ポリープ最も多い。放置するとがん化する可能性ありあり(要切除)
過形成性ポリープ小さいものが多い。基本的に良性まれ
炎症性ポリープ炎症の結果できるものなし
鋸歯状ポリープ過形成性ポリープと似ている。あり

検査中に見つかったポリープが「どの種類か」は、切除して病理検査(顕微鏡検査)をしないと正確には分かりません。

そのため、検査中にポリープが見つかった場合は、基本的にその場で切除することをお勧めしています。

ポリープ切除はどのように行われる?

当院での切除方法

当院では、検査中に切除が必要なポリープが見つかった場合、**その場で切除(日帰りポリープ切除)**を行っています。

切除の方法は、ポリープの大きさや形によって異なります。

方法対象概要
コールドポリペクトミー小さなポリープ(8mm以下程度)スネア(輪っか状の器具)で切り取る。電気を使わないため出血リスクが低い
ホットポリペクトミー(EMR)やや大きなポリープ電気を流して焼き切る。出血を止めながら切除

いずれの方法も、痛みはほとんどありません。 大腸の粘膜には痛覚がないため、切除中に「痛い」と感じることは基本的にありません。

切除できないポリープもある

以下のような場合は、当日の切除を見送り、後日改めて処置することがあります。

  • ポリープが大きい(20mm以上など)
  • 形や位置が切除に適さない
  • 血液をサラサラにする薬を服用中で、事前に休薬できていない
  • がんの可能性が高く、より詳しい検査や手術が必要

このような場合は、専門の医療機関をご紹介することもあります。

切除後の生活で気をつけること

ポリープを切除した後は、切除した部分から出血するリスクがあります。 そのため、一定期間は以下の点にご注意ください。

切除後の注意事項

項目期間の目安理由
飲酒禁止1週間アルコールは血管を広げ、出血リスクを高める
運動禁止1週間腹圧がかかると出血しやすい
長時間の入浴・サウナ禁止1週間血行が良くなりすぎると出血リスクが上がる
遠方への旅行・出張を控える3日間程度万が一の出血時にすぐ対応できるように
重いものを持たない1週間腹圧がかかるため

※切除したポリープの大きさや数、切除方法によって制限期間は異なります。  検査後に個別にご説明しますので、指示に従ってください。

こんな症状が出たらすぐにご連絡を

切除後、以下の症状が出た場合は、すぐに当院にご連絡ください。

  • 血便が続く(少量の血がつく程度は翌日まで様子見OK)
  • 大量の出血
  • 強い腹痛
  • 発熱
  • 気分が悪い、冷や汗が出る

切除後の出血は、切除当日~1週間以内に起こることがあります。 ほとんどの場合は自然に止まりますが、まれに内視鏡で止血処置が必要になることもあります。

病理検査(顕微鏡検査)の結果について

切除したポリープは、**病理検査(顕微鏡検査)**に出します。 結果が出るまでには、約2~3週間かかります。

病理検査で分かること

  • ポリープの種類(腺腫、過形成性、鋸歯状など)
  • 異型度(細胞の変化の程度)
  • がん細胞の有無
  • 切除断端の状態(取り切れているかどうか)

結果の見方

病理検査の結果は、以下のように分類されます。

結果意味今後の対応
過形成性ポリープ良性。がん化リスクはほぼなし経過観察。次回検査は3~5年後でOK
腺腫(低異型度)良性だが、放置するとがん化の可能性あり完全切除されていれば問題なし。次回検査は1~3年後
腺腫(高異型度)がんの一歩手前の状態完全切除されていれば問題なし。次回検査は1年後推奨
粘膜内がん(ステージ0)がん細胞があるが、粘膜内にとどまっている完全切除されていれば追加治療不要。経過観察1年後。
浸潤がんがんが粘膜より深く入り込んでいる追加の外科手術が必要になる場合あり。専門医療機関と連携

「がん」と言われたら

病理検査で「がん」という結果が出ると、誰でも驚き、不安になります。

しかし、**大腸カメラで見つかるがんの多くは「早期がん」**です。

**粘膜内がん(ステージ0)**であれば、 ポリープ切除だけで治療が完了し、追加の手術や抗がん剤が不要なケースがほとんどです。

「がん」という言葉に過度に恐れず、まずは結果説明をしっかり聞いてください。 必要に応じて、専門の医療機関と連携して最善の治療をご提案します。

次回の検査はいつ受ければいい?

ポリープを切除した後は、定期的な大腸カメラ検査が必要です。

一度ポリープができた方は、再びポリープができやすい傾向があります。 また、前回の検査で見落とした小さなポリープが成長している可能性もあります。

次回検査の目安

ポリープの状態次回検査の目安
ポリープなし5年後(便潜血検査は毎年)
過形成性ポリープのみ3~5年後(便潜血検査は毎年)
腺腫性ポリープ(1~2個、小さい)3年後(便潜血検査は毎年)
腺腫性ポリープ(3個以上、または10mm以上)1年後
高異型度腺腫・粘膜内がん1年後

※個人の状態によって異なりますので、検査後に個別にご案内します。

よくあるご質問

Q. ポリープを切除したら、もう大腸がんにはならない?

A. 切除したポリープからは、がんは発生しません。 しかし、大腸の別の場所に新たなポリープができる可能性はあります。 定期的な検査を続けることが大切です。

Q. ポリープ切除後、いつから普通の食事ができますか?

A. 。 検査後すぐ通常の食事で問題ありませんが、アルコールは7日間控えてください。

Q. 切除後、仕事はできますか?

A. デスクワークであれば検査後から可能です。 肉体労働や重いものを持つ仕事は、1週間程度控えていただくことがあります。

Q. 切除費用はいくらですか?

A. 保険適用(3割負担)で約20,000~24,000円です。 切除するポリープの数や大きさによって変動します。

まとめ:ポリープ切除は「将来のがんを防ぐ」治療です

大腸カメラでポリープが見つかった場合、

  • その場で切除できることがほとんど
  • 切除自体に痛みはない
  • 切除後は数日間の生活制限がある
  • 病理検査で良性・悪性を確認
  • 定期的な検査で再発を防ぐ

という流れになります。

ポリープを切除することは、「将来の大腸がんを一つ減らす」ことです。

「ポリープが見つかった」と言われると不安になるかもしれませんが、 見つかったからこそ、取り除くことができたのです。

これは、検査を受けた「あなたの判断」が正しかったという証拠です。

検査のご予約・ご相談

大腸カメラ検査のご予約はお電話にて承っておりますが、前処置の都合上、前々日までに一度必ず来院下さい。

「ポリープを切除した後の経過が心配」「次の検査をいつ受ければいいか分からない」 そんなご質問も、お気軽にご相談ください。

鹿岳胃腸科・内科

〒676-0078 兵庫県高砂市伊保1−4−27
TEL:079-447-3551
伊保駅から徒歩5分・駐車場10台完備


※この記事は一般的な健康情報を提供するものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。詳しくは医療機関にご相談ください。

「便潜血検査で陽性になったら」シリーズ

  • 第1回:便潜血検査で陽性に!まず知っておきたい5つのこと
  • 第2回:便潜血陽性を放置するとどうなる?精密検査を受けるべき理由
  • 第3回:便潜血陽性後の精密検査「大腸カメラ」ってどんな検査?
  • 第4回:大腸カメラでポリープが見つかったら?切除から結果説明まで(この記事)
ABOUT ME
鹿嶽 佳紀
鹿嶽 佳紀
医療法人社団 鹿岳胃腸科・内科 理事長
内科医として30年、たくさんの経験を積ませていただいています。これからも皆様に最新・最良の治療を提供していきます。また、地域の医療水準の向上に貢献できるよう、日々進歩する医療を常に学んでいます。野鳥とDIYが大好きで、最近の休日は、専ら庭の手入れです。
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