消化器科

各種癌検診のおすすめ『糖尿病の方は特に注意して下さい。』

yoshiki

 糖尿病既往なしの人と比べ、糖尿病既往ありの人では何らかのがんにかかる危険性が男性で1.27倍、女性で1.21倍ほど高くなり、糖尿病と診断されたことのある人はない人に比べ20-30パーセントほど、後にがんになりやすくなる傾向のあることがわかっています。

 糖尿病既往ありの人が特にかかりやすかったのは、男性では肝がん、腎がん、膵がん、結腸がん、胃がん、女性では胃がん、肝がん、卵巣がんでした。

【胃がん】
近年ピロリ菌の除菌により、胃がんの発生は減ってきておりますが、R4年度も内視鏡検査にて12例の胃癌があり、5例は除菌後でした。除菌後も胃がんリスクはあります。ピロリ菌の治療を行った方は、必ず定期的な内視鏡検査をお受け下さい。

【大腸がん】
大腸癌が近年増加していますが、簡易な便潜血検査による大腸がん健診で早期発見される事も増えております。令和4年の当院大腸内視鏡検査で、Group 5:癌が11例、うち2例は進行癌、残り9例は内視鏡切除で完治しております。Group 4: 前癌状態も11例あり、内視鏡切除で完治しています。Group 3:良性の時点で切除できた方も54例ありました。

【膵がん】
未だ早期発見が困難で、検診方法が確率されていませんが、他の癌については早期発見が可能です。もちろん一般の方も是非積極的にがん検診を受けていただきたいですが、糖尿病の方は、特にがん検診を積極的にお受け下さい。

【肺がん】
昨年より、高砂市では個別検診による肺癌検診も始まりました。当院でも受けられます。近年は喫煙とは関係の無い女性の腺がんが増加しています。

【肝がん】
肝炎ウイルスの感染既往のある方は、リスクが高く、定期的検査をお受け下さい。近年では肥満やアルコールによる脂肪肝からの発がんが増えてきております。肥満やアルコールにお気を付け下さい。

【その他、前立腺がん、乳がん、子宮がん等】
各種検診を是非お受け下さい。

ABOUT ME
鹿嶽 佳紀
鹿嶽 佳紀
医療法人社団 鹿岳胃腸科・内科 理事長
内科医として30年、たくさんの経験を積ませていただいています。これからも皆様に最新・最良の治療を提供していきます。また、地域の医療水準の向上に貢献できるよう、日々進歩する医療を常に学んでいます。野鳥とDIYが大好きで、最近の休日は、専ら庭の手入れです。
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