【コラム】なぜ内視鏡検査は「医師の経験」が重要なのか
yoshiki
「内視鏡検査は、誰が施行しても同じ結果が出る検査ではありません」
採血とは異なり、内視鏡検査の精度は、医師の経験と技術に大きく左右されます。なるべく楽に、短時間で、そして微小な病変も見逃さない。この相反する目的を両立させるには、長年の鍛錬が不可欠です。

実は、ただ内視鏡を挿入するだけなら、それほど難しいことではありません。私が研修医だった頃、初めての検査でも患者様を苦しませることなく挿入はできました。しかし、「診断」は全くの別物でした。
指導医に「ほら、そこに病変がある」と指摘されても、当時の私には見つけることができませんでした。一つの病変に気を取られ、隣にある小さな変化に気づけない。その悔しい経験の積み重ねこそが、私の原点です。
「いつか先生方を追い越す」と心に誓い、大学病院という恵まれた環境で必死に学びました。30年近く経った今でも、決して「経験充分」だとは思っていません。
これからも日々の検査一つひとつに真摯に向き合い、技術の研鑽を続けること。それこそが、患者様への誠意だと信じています。